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国立歩記 vol.37「教えて!ITワード」

フリーペーパー 国立歩記 Vol.37 のコラム「教えて! ITワード」の記事を書かせていただきました。今回のテーマは「街に増えている Wi-Fi スポット」
本誌のイラストには新たな登場人(?)物、ニャン太のシッポにも注目です。ぜひリンク先を、あるいは冊子を手に取ってご覧ください。矢川工房でも配布しています。
 

もうちょっと教えて! ITワード 「プログラミング」

  1980 年にBASIC というプログラミング言語に出会って以来、ソフトウェア技術者としての仕事を通じて、これまで様々なプログラミング言語を使ってきました。ワードプロセッサの仮名漢字変換のプログラムをアセンブラで書いたり、機械翻訳のプログラムをC 言語で書いたり、グラフ入りレポートをExcel で自動作成するプログラムをVBA で書いたり。最近はScratch やPython なども使う機会がありました。

  ビジュアル化や開発環境の高機能化などによって、プログラミングの敷居も随分と低くなってきたと思います。その一方で、昨今の第3次人工知能ブームに象徴されるように、作成されるプログラムは昔に比べて遥かに高度で複雑なものになっています。

  その発展は、プログラムを動作させるハードウェアの驚異的な性能向上や技術革新によってもたらされたことは言うまでもありません。「いつでもどこでも手のひらの上で世界中の情報にアクセスすることができる」。ソフトウェアとハードウェアの進歩が両輪となって私たちにもたらした世界は、20 年前とは全く異なるものです。

  様々なプログラミング言語を使ってきましたが、どの言語を使おうともプログラミングの基本はデータとアルゴリズムです。ちょうど日本語でも英語でも中国語でも、どの言語にも名詞と動詞があることと同じですが、それも当然のことです。なぜならプログラミング言語は、できるだけ人に近い言葉でコンピュータに命令できることを目指して開発されてきたものだからです。プログラミング言語は、更に人が命令しやすいように進化して、最終的には自然に話しかけるだけで、複雑で高度なプログラムが作れるようになるかもしれません。

  そうなると、英語を話す能力の前に伝える内容を考える能力が重要であることと同様、プログラミング言語を自由に操る能力の前に、コンピュータに何をやらせるかというアイデアを生む力とそのアイデアを整理して相手に伝える力がより重要だということになります。小学校でのプログラミング教育必修化の真の狙いも、アイデアを生む力とアイデアを整理して伝える力を養うことです。21 世紀型スキルであるこの力のことを「論理的思考力」と呼びます。

  良いプログラムを書くためには、データとアルゴリズムの他に、抽象化や具体化、モジュール化といった概念も必要になりますが、それでも基本はプログラミング対象のデータとアルゴリズムをよく考えて整理することから始まります。

  理解しやすいように現実にあるもの、例えばボールペンをプログラムで表すことを考えてみます。それにはボールペンをよく観察することから始めます。ボールペンは、ペン先のボールが紙に接すると一定量のインクが紙に付着します。ペン先を紙に接したままボールペンを移動すると、ボールが回転してその軌跡通りにインクが紙に付着します。

  どんなデータがあるでしょう? インクの種類、インクを運ぶボールの半径、回転するボールにまとわり付くインクの厚み、ボールにインクを供給するスリーブ( 軸) に入っているインクの量、ペン先の平面(XY) 座標と垂直(Z) 座標、などなど精密に表そうとすればデータはまだまだありそうです。例えば、ボールペンの温度というのも重要かもしれません。

  アルゴリズムはどうでしょう? 直線や正確な円を描くためのXY 座標の計算、ペン先を下げるスピードの調整(紙を破らないように)、スリーブのインクの減り具合。

  このように、つぶさに観察しデータとアルゴリズムを整理して初めてプログラムを書くことができます。どこまで精密にプログラムで表すかは用途次第です。パソコンやタブレットのお絵かきソフトであればインクの減り具合などは必要はないでしょうし、製図などで使われるXY プロッタという機械の制御プログラムの場合は、インクがなくなる前にペンの交換を促すためにインクの減り具合を計算するアルゴリズムが必要になるかもしれません。

  例えば自作のオリジナルゲームのキャラクタなど、現実にないものをプログラムで表すこともあります。この場合は、観察ではなく想像することになりますが、それでも筋の通った想像をする必要があります。そうしなければ一定のルールで動かすことができず、ゲームのキャラクタとしては使い物にならなくなってしまうでしょう。筋の通った想像というのはコンピュータグラフィックスやコンピュータミュージックの創作でも同じですし、コンピュータを使うまでもなく、鉛筆で五線譜に音符を並べる行為もプログラミングそのものに思えます。

  高度経済成長期には大量生産とそれを支える均質な労働力が重要視されましたが、成熟期のこれからは多品種少量生産と人材の多様性がより重視されていくことでしょう。そのような時代の到来を念頭に、中学校で必修化された創作ダンスの狙いは、個性を表現する自己表現力の育成にあったと思われます。そしてダンスとは使う力は異なりますが、論理的思考力を養うプログラミングもまた、強力な自己表現の手段なのです。

「Kunitachi Makers 2016 Autumn Vol. 1」を刊行しました

 Webに不慣れな方にも、seisakusyo.jp のコンテンツを読んでいただけるように、少部数ですが、紙媒体の広報紙を季刊で発行することにしました。

 創刊号はWeb訪問頻度の高いお困りごと「スマホで撮った写真をLサイズの用紙に印刷したい」、そして国立歩記の「教えて! ITワード」の連動記事「もうちょっと教えて! ITワード プログラミング」の2本の記事です。

 矢川工房店頭とプラムジャムで配布します。


kunitachi-makers-vol1のサムネイル


 

ぴったりサイズのモノを作る(1)

 矢川工房は「工房」と名付けたくらいなので、何か形のあるモノも作る場所と位置づけています。しかし、場所柄、また建物の性質からいって、大型の工具を使う場所としては適していません。そこで電子工作や3Dプリンタ造形くらいができる場所作りを目指してきました。ただし、世間のニーズはまだそれほど盛り上がりを見せておらず、加えて元来ソフトウェア畑出身の私自身もなかなか一歩を踏み出せず、半田ごても3Dプリンタも稼働率はずっと低迷したままです。

 しかし、全く使わないと機械も、せっかく職業訓練校で習ったことも劣化していくので、「迫られる必要」をわざわざ作ったりしながら、細々とモノづくりの練習をしています。
 今回は、矢川工房で一番重要な設備であるホワイトボード、と2番目に重要な設備であるプロジェクタ、の使い勝手をよくするために、プロジェクタにつながっているHDMI切替器と、HDMI切替器につながっているApple TVを、ホワイトボードの下に置くための棚を作る「必要に迫れれている」ことにしました。まぁ実際、赤外線リモンコンを、見ているホワイトボードではなく、機器を置いてある自分の背後に向けて操作するという格好の悪さにストレスも感じていたので、「必要に迫られていた」と言えなくもありません。
 img_3522さっそく最初のアイデアをモデルにしてみました。最初は、あまり深く考えず単純なL字型にし、中身の隙間なく3Dプリンタで出力してみました。結果、必要以上に頑丈のものができましたが、試しに付けてみたら棚板が想定よりも手前にはみ出し、ホワイトボードの前に立つ時にじゃまになる失敗作。結構な時間をかけて出力したのに情けない。深く考えなかったことが、当然ですがアダとなりました。
 
 気を取り直し、次のモデルはしっかりと採寸して、棚板が奥に引っ込むように形状を工夫し、ガタガタしないよう取り付け用のネジ穴もつけました。強度はそれほど必要ないこともわかったので、充填密度は半分ほどにし、同時に2個出力して時間を節約しました。
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 これはなかなかいい感じにできあがり、ほぼ当初の考えどおりの棚ができたと思います。形をあれこれ考えるのには結構時間を要しますが、アイデアが固まればモデル作成に1時間、3Dプリンタ出力に6時間程度と、ぴったりサイズのモノが手に入る満足感を得られるのならば、悪くない投資と思います。img_3472img_3521

 2Dプリンタの年賀状印刷のようなキラーアプリがなかなか現れないこともあって、家庭向け3Dプリンタはいまいち盛り上がらないでいます。やはりまずニーズ、次にアイデアとモデルがあって初めて「実際に作ってみよう」ということなのだろうと、今回改めて感じました。ぴったりサイズのものというのは、どこかのオンライン家具ショップでも謳っているので、基本的なニーズなのだろうと思います。家庭向け3Dプリンタで作ることのできるぴったりサイズのモノとしてどのようなニーズがあるのか、モデル化するにあたってどんなノウハウが必要なのか、試行錯誤しながら探っていきたいと思います。

【お困りごと その五】古いパソコンを捨てたい

 家電4品目同様に、古くなったパソコンも国立市ではゴミ収集してくれません。パソコンは原則メーカーのリサイクル窓口に申し込んで回収してもらいます。

国立市「ごみとリサイクル パソコンの出し方」

 この際、「PCリサイクル」マークがあれば、費用は購入時に支払っているので無料で自宅まで回収に来てくれます。「PCリサイクル」マークがない場合は、回収費用(数千円から一万円程度)を事前に払い込む必要があります。本体と同時に購入した周辺機器や他社製品も同時に回収してくれるかどうかは、メーカーによって違いがあるようです。多くの場合には、それぞれの機器ごとにメーカーに回収を依頼することになります。中に入っているハードディスクのデータが気になる方も多いと思いますが、メーカーは、「粉砕、再資源化で最終的にデータは残らない」とは言うものの「輸送中の不慮の事故等での漏洩については保障できない」としており、データの消去は廃棄前に自ら行う必要があります。

 このように、パソコンの廃棄は結構手間も時間もかかるので、自宅にずっと置いたままというお困りごとを抱えた方も多いと思います。お困りごと相談でも、これまで何件かお問い合わせをいただいていました。そんな中「市報くにたち 8月20日号」に気になる記事が掲載されていました。

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 市と協定を結んだリサイクル事業者が、メーカーの区別なく箱単位でパソコンを含む小型家電製品を回収してくれる、と言うものです。しかも箱の中にパソコンが入っていれば一箱分無料という、お得感もあります。事業者の「リネットジャパン(株)」のページを見ると、以下のような特徴をもつ回収サービスのようです。

  • パソコンはメーカーを問わず、古くて壊れていても無料で回収する
  • 最短で申し込み翌日に自宅まで回収にくる
  • 規定の箱の大きさ・重量の範囲に収まるならば、他の小型家電品も同梱可能
  • 有料で、データ消去(3,000円)、更にバックアップ付き(15,800円)のオプションサービスがある

 ちょうど廃棄しようとしていた古いパソコンがあったので、早速利用してみることにしました。

 今回は、「PCリサイクル」マークのない古いパソコン本体と、専用ディスプレイ、キーボード、マウス、それに古いモバイルルーター。データのバックアップと消去は、専用のソフトを使用して自分で行いました。なお、リネットのホームページから無料のデータ消去ソフトをダウンロードして、これを利用することもできます。古いデスクトップ型なので結構な重量がありましたが、なんとか3辺140cm、20Kgに収まり箱の横に「リサイクル品」と大書して準備完了。次はインターネットからの申し込みです。

 利用するには、まずユーザ登録をする必要があります。ユーザ登録をすると、回収品の処理結果を確認するマイページを見ることができます。ユーザ登録が終われば、ログインして回収を申し込むことができます。品目と回収場所、日時を指定します。今回は翌日の午前中を指定しました。

 翌日、午前中に佐川急便が回収に訪れてサイズと重さを確認し、引き渡し終了。その後、回収品の到着と処理完了時の2回、通知メールが送られて来ました。

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 製品型番やシリアル番号の入力が必要な「PCリサイクル」マーク付きのメーカー回収申し込みよりも、はるかに手間いらずでした。処分に困っている古いパソコンやディスプレイをお持ちの方は、利用を検討されてみてはいかがでしょうか?

 以下は、いくつか注意点です。

 ハードディスクを読めなくする方法には、ファイルの削除、ディスクのフォーマット、ボリュームやパーティションの削除、といった方法がありますが、これらはハードディスク上の「データの管理ブロックの消去」であり、「データの消去」とは異なります。データの格納場所がわからなくなっただけですので、端から丹念に見ていけば、データの格納場所を見つけ出し、取り出して復元することができます。

 ハードディスクのデータを消去するためには、専用ソフトで全ての領域に特定の値を書き込まなければなりません。これには短くて数時間、最近の大容量ハードディスクなど場合によっては数日かかります。更に機密性の高いデータを記録していたハードディスクは、特定の値、例えばゼロを一度書き込んだだけでは、ハードディスクから機密データを復元される危険性を拭い去れません。ハードディスクはデジタル製品ですが、情報の記録原理は磁界強度というアナログなものです。アナログの目で見られると、うっすらと残る痕跡を見つけられてしまうかもしれません。が、一般ユーザはそこまで気にする必要はないと思います。

 また、データのバックアップについては、パソコンを廃棄する時ではなく、日常的に行っておくことを強くお勧めします。「パソコンが急に動かなくなった。諦めて新しいパソコンを買うが、データだけはなんとか取り出したい。」という類の相談がこのところ増えています。近頃は、クラウドストレージが安価に利用できたり、Windows 10のバックアップツール「ファイル履歴」など、設定だけすれば手間いらずな環境も整ってきました。

大切なデータのために、今あなたができること

「転ばぬ先のバックアップ」

ここ大事です!

中央図書館のWi-Fiサービス(公衆無線LAN)を使ってみました

 2016年8月1日から、くにたち中央図書館でWi-Fiサービス(公衆無線LAN)が利用できるようになりました。利用は無料とのことですが、どんなサービスなのか実際に体験してみることにしました。

 Wi-Fiサービスが利用できるのは、2階の集会室で、接続はSSIDとセキュリティキー(暗号化キー)による一般的なものです。ただし、セキュリティキーは定期的に変更されるようです。

 接続するために必要なSSIDとセキュリティキーは、2階の児童室カウンターで利用希望を申し出ると渡される説明書に記載されています。尚、図書館職員は接続サポートは行わない旨、注意書きがありますが、説明書には接続手順が詳しく記載されているので、頭を悩ますことはないと思います。

 「ゲームや動画等の閲覧は禁止します。また、図書館にふさわしくないサイトの閲覧を禁止するため、フィルタリング機能を導入しています。」とのことで、ブラックリストによりAppStoreやiTunesStoreなど一部アプリの接続は制限されているようです。Google Maps、Google Earth、Facebook、Twitterアプリの接続は可能でした。

 接続速度は平日午後3時で下り90Mbps、上り30Mbps前後と高速です。開館中であれば、利用時間に制限はないようです。

 このレポートも中央図書館から投稿しています。Wi-Fiのみのタブレットをお持ちの方は是非一度体験しておくと、いざという時に役に立つと思います。

国立歩記 vol.36「教えて!ITワード」

フリーペーパー 国立歩記 Vol.36 のコラム「教えて! ITワード」の記事を書かせていただきました。
本誌の方には、可愛いイラストも添えられていますので、ぜひリンク先を、あるいは冊子を手に取ってご覧ください。矢川工房でも配布しています。
 
パソコン・スマホ・タブレットお困りごと相談

秋の「パソコン・スマホ・タブレットお困りごと 誰でも無料相談」は第2、第4水曜日に開催

 ご好評いただいている「パソコン・スマホ・タブレットお困りごと 誰でも無料相談」、10月、11月、12月も、第2、第4水曜日に開催します。
 そろそろスマホに変えようか、年賀状の季節も近づいて新しいパソコンとタブレットどっちにしたらいい、といった相談も分かりやすくアドバイスさせていただきます。お気軽にいらしてください。

日にち:10月12日(水)、10月26日(水)、11月9日(水)、11月23日(祝)、12月14日(水)、12月28日(水)

時間:午前10:00〜午前12:00(当日受付先着順、受付は11:30まで)

場所:プラムジャム(富士見台第一団地 むっさ21内 「とれたの」隣り)

「プログラミング お困りごと相談」スタート

 お困りごと相談メニューに、新たに「プログラミング お困りごと ワンンコイン相談」を加えました。

 主に個人の趣味や学習上のプログラミングの相談を想定していますが、条件付きで業務上のプログラミングの相談も承ります。

 「パソコン・スマホ・タブレットお困りごと ワンコイン相談」同様に、当面の間500円(30分単位)のキャンペーン料金で承ります。

 また、地域貢献あるいは学習を目的とする学生による開発等の場合、相談料を減免します。詳細はお問い合わせください。

[夏季 早朝枠追加] ワンコイン お困りごと相談

 7月、8月、9月の夏季期間、ワンコイン お困りごと相談は、朝7:00からの枠を追加します。

 7月に入り急に高温の日が増えたように思われます。NASAの気象学者が「2016年は史上最も暑い年になる」と警告しているとのことで、南西がガラス張りの矢川工房は、夏の昼間にパソコンを使うには不向きな場所です。

 夏の間、ワンコイン お困りごと相談は、朝7時からスタート致します。

 7:00,8:30,10:00,11:30,13:00,14:30,16:00,17:30,19:00,20:30 スタートの10枠からお選び頂けますが、省エネにもつながると思いますので、是非早朝、夜間枠をご利用ください。